外の世界を知ろうよ 〜看護学生へ休学のススメ
看護学校って忙しいですよね〜。
次から次へと課題が出されるし、めんどうくさいグループワーク、莫大な勉強量。息をつく間もなく、矢のように時間が流れていきます。なにがなんだかわからず、ただカリキュラムについていくのが精一杯で、気がついたら卒業してた、なんてことになりそうでコワくありません?
もっとゆとりが欲しい! そう本気で願う人は多いはず。だったらいっそうのこと、1年間学校を休んでしまうというのはどうでしょう?
看護学校に入学のときにもらった『学生便覧』を見ていて、はたと気付きました。
「うちの学校は休学している間は学費を払わなくていいんだ!」
大学だと、休学している間も学費の1/3か半額を払わなくてはいけないのがふつうです。
それがまったくタダとは驚き。これは休学しない理由はないよなと思ってしまいました。実は私は大学時代に、学校を1年間休学した経験があります。その間、丸々1年を使って海外旅行をしてました。
その決断をするときにネックになったのが、休学中の学費でした。1年の旅行となればそれなりの資金を用意しなくちゃいけません。それに加えて、学籍を抹消されないために、30万近くを用意しなくちゃいけない。
まあ、1年といってもテント暮らしが中心の貧乏旅行(現地で使ったお金は1年間で60万円ほど。バイクを購入した費用も含みます)でしたから、資金づくりはそれほど大変ではなかったのですが、それにしても行きもしない学校のために大金を払うのが、妙に腹立たしかったのを覚えています。
それがこの看護学校ときたら、一切のお金を納めないで休学させてくれるなんて、太っ腹ですねぇ。せっかくこんなおいしい制度があるんだから、学生の身分を生かしたままやりたいことをやるこの上ないチャンスです。
ところが、看護学校と言うところは、根がマジメな人が集まるせいか、そういう発想の人はほとんどいないようです。ホントもったいない。
思うんですけど、なんか大きなことを思いっきりやろうとしたら、学生のうちがベストです、絶対に。私の場合は、それがたまたま旅行だったんですが、一生のうちに1年間も旅行をできるチャンスなんて学生時代をのぞいて、ほかにあると思いますか?
私が行っていたニュージーランドでは、ワーキングホリデー制度というのがあって、バイトができるビザが簡単に取れます。年齢制限が18〜30歳なんですが、おなじ協定のあるカナダとかオーストラリアに比べて、年齢上限が高かったせいか、30歳ギリギリ位で来る人がけっこういました。
そういった人たちは、仕事を辞めてきたわけで、歳も歳だから、これが最後のチャンスとばかりに、相当の覚悟で来てたようです。足がかりを作って就労ビザや永住権が取ってニュージーランドに移住する。そのために定職を捨ててくるというリスクを負っているわけです。結局の所、それがうまくいかず、日本に帰っても就職が難しく、不本意なアルバイトで生活をしている人を何人も知っています。
就職してから、なにかを本格的にやろうとしたら、仕事を辞めるというリスクがついてまわります。だからよっぽどの覚悟がないと手が出せない。つまり気軽なお試しというのが出来なくなってしまうわけですね。
その点、学生のうちは強い。なにかをやって失敗しても、復学すれば、学生という身分が無条件で待っているんですから。
思いきったことができる。それが学生の特権です。それを存分に生かすのが休学制度だとおもうのです。
本来の休学制度は、病気や事故で長期入院するような事態を想定して作られたものだと思います。でも、大学なんかでは、自分を試す・活かすための手段として、よく利用されています。今のところ日本でいちばん多いのは、海外語学留学というパターンでしょうね。
ニュージーランドに滞在中、出会ったあるドイツ人から聞いた話ですが、ドイツでは大学に入学したら、すぐに休学して世界を回る人が多いといいます。学生というのは、専門の勉強だけじゃなくて、広く見聞を広める大切な時期と考える人が多いそうです。その見聞をもとに、大学での学習テーマを決めるんだとか。
看護界ではそういう発想ってほとんどないですね。私の通っているのが「専門学校」というせいもあるのかもしれませんが、看護以外のことに目を向けるようなチャンスはほとんどないのが現状です。だからこそ自分で積極的に動かなくちゃいけない。
看護の勉強だけで、かなりキツキツで、「そんな余裕ないよ〜」って感じかもしれませんが、だからこそ、あの矢のような流れから、いったん外れて考える時間というのが必要だと思います。
看護学校の教員や病棟の看護婦さんを見ていて思うんですが、看護以外のことを知らない、純粋培養されたような、そんな違和感を感じることがよくあります。なんかどっか感覚がずれていると言ったらいいんでしょうか。最初はすごく不思議でしたが、看護学校のあの雰囲気のなかで育って、他に目を向けることがなければ、自然とああなっちゃうんだろうなって納得するようになりました。
妙に特権意識の強い、ある意味、特殊な環境で行われている閉鎖的な教育。一種の洗脳みたいな要素があると思います。学校で優秀といわれる「いい子ちゃん」は、いってみれば一心不乱に看護に専念した「看護バカ」。そんな人がまた看護教員になって、なんか違うなぁという教育を繰り返していく。
外部の人が客観的に見たら、おかしいなと思うことが多いはずですが、その世界にずっといると、それがあたりまえになってしまうもの。だから医療界は問題が山積みなんじゃないでしょうか。
ということで、今の看護界に疑問を感じている人、看護以外になにかやってみたいものがある人は、ぜひいまのうちに行動を起こすことをおすすめします。
最初に言ったように、休学費がかからないというのは、学生のなかでも特に恵まれた環境です。休学した結果がたとえどう終わろうと、リスクは人生のなかで最小です。
特に高校を卒業してストレートで入学してきた人ならなおさら。だって考えてもみてください。大学受験をする人の間では、浪人ってけっこうあたりまえのことですよね。1年遅れるということに抵抗あるかもしれませんが、浪人を考えれば1年なんてたいしたブランクじゃありません。
予備校通いとダラダラした生活をするくらいなら、目的を持って積極的に活用する1年の方がよっぽど価値があると思います。
もしかしたら人間の可能性って、年を重ねるに連れて、だんだん小さくしぼんでいくものなのかもしれません。「いつか何々をしたい」、そう口にする人はいますが、実際に行動する人は少ない。いつかと思ううちに、その適当な時期から、どんどん外れていってしまうからです。いつかなにかをしたい、そう思ったら、それははっきりいって、「今」です。
ということで、マジメに考えてみませんか? 休学。楽しいですよ〜
